【ちょっとマニアック】R6→R7予算編成方針変更点から探る調布市の今後の予算配分について
先日、調布市HPに市政経営及び予算編成に向けた基本的な考え方がHPに公開されました。
そこで昨年度のものと比較したところ、何点か気になる点がありましたので、解説したいと思います。
まず、市政経営に関する基本方針ですが、ほとんど全文変わってしまっていたので、テキストのありかのご紹介だけいたします。
次に、予算編成方針ですが、変更履歴の意味がある程度の修正だったのでこちらを分析していきたいと思います。
そして以下が作成したファイルです。
それでは気になった変更点を確認していきます。
p1(前文)「財政の健全性を維持しながら,基本計画に基づくまちづくりを着実に前進させるため,」が削除。
→当たり前すぎて削除されたものと思います。
p2「また,ふるさと納税に伴う減収影響は年々拡大しているほか,調布市においても今後,人口減少時代を迎えることが予測され,この先の市税収入の動向が懸念されます。」が追記。
→ふるさと納税の減収額は流今年度は14億程度まで拡大すると認識(阿部草太議員・R5第三定例会での発言)とのことであり、その影響は年々拡大していることから危機感が表れているように思います。なお、p2にて「個人市民税におけるふるさと納税の減収影響の拡大が懸念されますが,令和5年度決算と同規模程度を見込んでいます」との記述あり。また、人口についても調布市によれば令和12(2030)年の24万2079人をピークに減少していくとの推計もあり、この点も近い未来の問題として予算にも表れてきているようです。
p2歳出について「社会保障関係経費等の経常経費の増加、公共施設マネジメント、都市基盤整備」が追記。一方で、「市民の安全・安心の確保」「市民生活支援への継続的な取組」が削除。
→ただし、p3では、市民の安全・安心の確保や市民生活支援がのこっており、公共施設マネジメント、都市基盤整備が削除されており文言整理がされたようです。一方、「社会保障関係経費等の経常経費の増加」は2回とも出てきており、かなりの危機感を感じます。
p2中長期的な将来への備え 「各種基金残高の充実を図るなど,財政基盤を強化していく必要があります。」が追記。
→各種基金残高の充実については、必要なタイミングで財政を悪化させることなく資金需要に応える対応と認識しています。基金については、債券運用も始めており、ただ現金を寝かせるだけという状況から脱却しつつあります。
p4「(10) 市制施行70周年記念事業をはじめとする周年事業については,事業の必要性,内容を精査の上,事業費が過大にならないよう検討すること。なお,市制施行70周年記念事業については,「70周年記念事業一覧表」を提出すること。」の追記。
→来年度が市制施行70周年記念となることに伴う追記あり。派手になりすぎないようにしてほしい一方で、一覧として管理したい意図も見えます。
p6「調布市職員の意識改革・働き方改革推進に関する方針」に位置付けた3つの視点に基づく取組(「意識改革・働き方改革の促進」,「マネジメント力の強化」,「全庁推進体制の継続」)を踏まえ,ワーク・ライフ・バランスをさらに推進すること。が削除。
→なぜ削除したのかわからなかったため、担当に問い合わせしてみました。その結果、予算編成と直接的には関係が薄いことから削除したが、働き方改革関連の施策が後退するものではない。予算執行の際には改めてこれらの観点について周知するつもりである旨回答をいただきました。
今後もよりよい市政となるようデータ分析を進めてまいります。
